2019年外食チェーントップ,年頭に語る

2018年後半から年末にかけて,外食業界の業況は振るわなかったようです。2018年3~11月期の決算では,吉野家HD,ドトール日レスHD,クリレスHD,ダイヤモンドダイニングHD,壱番屋,リンガーハット,ハイディ日高などは,営業利益が赤字または減益となりました。人材不足と立地飽和により出店ペースが鈍化しており,また材料費や人件費の高騰が高コスト構造を助長しています(日経MJ:2019/1/16:P15)。
 また,2018年12月の売上は,外食主要34社中20社が既存店ベースで前年同月を下回りました。ファミレスは5社のうち3社が減収,居酒屋は6社のうち5社が前年実績を下回りました。一方ファストフードは,6社中4社が増収と好調,ラーメン・カレー・定食の「食主体」チェーンは7社中3社が増収でした。
 個別企業の記事では,あみやき亭の2018年4~12月の純利益は食肉原材料の高騰等により前年同月比12%減の13億円(日経朝刊:2019/1/8:17P),吉野家の2018年3~11月期の連結決算は営業曽根喜5億円の赤字で9年ぶりの営業赤字(日経朝刊:2019/1/11:15P),ペッパーフードサービスは18日に既存店12月が同月比で13%減収を発表,9カ月連続で前年水準を下回っており,その影響で株価は効果傾向(日経電子版:2019/1/24),などとなっています。

 以下,日経MJ掲載の「2019トップに聞く」外食関連企業の抜粋です。


スシローグローバルHD 水留浩一社長
国内は成長維持,海外・新業態を加速する。元気寿司との統合によりシェアはトップとなり,業界スタンダードになるだろう。しかしながら,PMIには時間がかかると見込んでいる(日経MJ:2019/1/16:P15)。

ロイヤルHD 黒須康宏社長
消費の二極化が進んでいるので,お客様の使い分けのニーズに沿ったサービスを提供していく。深刻化する人手不足については,機械化と新技術導入による効率化で対応する(日経MJ:2019/1/16:P15)。

スターバックスコーヒージャパン 水口貴文CEO
人手不足の中スタッフをどう戦力化していくか,理念の共有や教育などが重要になる。2月に開店する高級店「リザーブロースタリー」がこれからの20年を牽引する鍵となるだろう(日経MJ:2019/1/14:P13)。

モスフードサービス 中村栄輔社長
事故からの信用回復が最優先。丁寧に真摯に作っているという取り組みを訴求する。プロダクトアウトからマーケットインの発想で商品開発し,ブランドの建て直しに全力を注ぐ(日経MJ:2019/1/14:P13)。

串カツ田中HD 貫啓二社長
禁煙によりファミリー層をとりこみ,次世代を担う子供たちのファンを増やせた。材料高騰はスケールメリットで相殺できる,利益を出すためのブラック化はNG,労働環境改善に力を入れる(日経MJ:2019/1/18:P15)。

鳥貴族 大倉忠司社長
値上げにより落ち込んだ既存店の業績回復を急ぐ。外国人労働者も受け入れ人手不足を解消する。外食は作り立てを食べるのが魅力でありテイクアウトには力を入れない(日経MJ:2019/1/18:P15)。

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